ハルオレ☆ -前篇-
「え?…ぁ、これはって…ヤマト兄と大樹さ…」
俺がそう言いかけた瞬間、今度は痛みのない方の俺の頬に痛みが走る。
彼方がまたも俺の頬を強くつねってきたのだ。
しかも、今度はさっきつねった方とは逆の方を…。
「いてッ!!」
俺がそう叫ぶと、彼方は俺の頬からすごい勢いで手を離した。
その反動で、俺は床にドサッと倒れこむ。
「だ〜か〜ら!気安くヤマト兄って呼ぶなって言ったでしょ?」
あ、忘れてましたΣ(゚д゚;)
「それとさ、僕の前であのクソ男の名前も出さないでくれる?」
さらに付け足された彼方の言葉が俺を容赦なくグサリと刺した。
ク、クソ男って大樹さんのことか?
もしかして、ヤマト兄単品の写真じゃないと駄目だったのか?
てか、それよりもほっぺたがむちゃくちゃ痛いんですけど━━(`;ω;´)━━!!
「早瀬先生の写真を取れと言ったのに、どうしてよりによってクソ男のツーショットを撮ってくるかなぁ?」
彼方はカメラの編集画面を操作し始める。
どうやら大樹さんとのツーショット写真のデータを消しているようだ。