悪魔と天使の領域
どこまで歩いても感じの悪い雰囲気は続いている。
少し気持ちも悪くなって来た。
「大丈夫ですか？顔色悪いですよ？」
サリリちゃんが聞いてきた。
「ちょっと気持ち悪くてさ。」
「悪魔界の雰囲気にやられたのかもしれませんね。少し休みましょう。」
俺とサリリちゃんは、近くにあったベンチに座った。
「ごめんね、悪魔城は近いのに…」
「大丈夫ですよ。私ですら、最初は気持ち悪くなるくらいですから、普通の人が来たら気持ち悪くなるのも当たり前です。でも、良太さんは頑張ってくれていると思います。本当に感謝しています。」
そして、ニコッと笑った。
「俺だって和也を助けたい。それにミエルだって…」
「そうですね。和也さんとミエルちゃんを助ける方法があれば良いのですが…」
少しの間無言になった。
その沈黙は俺が破った。
「少しは気分もよくなったし、前に進もう。」
正直、今にも吐きそうだが、これ以上迷惑を掛けられないと思い、強がってみせた。
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表紙・目次

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