平凡な彼の非凡な彼女

しかしそんな片桐の様子にも気付かず隼人は軽く答える。


どうやら皆の驚き様にご満悦のようだ。

「マジ、マジ。さっき偶然津田が告られてる場面に遭遇したんだよ。そしたら『彼氏が出来たんから』って断ってた。間違いない!!」



それを聞いた片桐はショックを隠し切れない様子。

その他にも何人かの男子生徒が落ち込んでいるようだ。

ここからも彼女の人気を窺い知ることができる。




しかし、俺を初めそいつら以外の生徒は少々納得いかないことがある。

だから俺は皆を代表して隼人にその疑問をぶつけることにした。


「彼氏がいるなんて断る時の常套句なんじゃないか？そんなんで断言できないだろう。」


あくまで実際断ったことも断られたこともない、むしろ告白とは無縁の俺の想像だが。