平凡な彼の非凡な彼女
「それを言うなら噂の彼氏にじゃない?確か柔道部とかボクシング部の部長も津田のファンだよ。こぇ~」
恐いと言いながらもどこか楽しそうにしゃべる隼人。
まぁ、所詮他人事だから仕方ないけど。
実際俺だって昨日のことがなければ軽い同情はするものの、そんな深くは考えなかったはずだ。
しかし今の俺はその言葉に一瞬たじろぐ。
図書室でのことが不安材料な俺には笑えない。
やっぱり誰が彼氏か判明したら、そいつは制裁という名の集団リンチとかされちゃうんだろうか。
だってうちの柔道部強いって有名だし、ボクシング部部長に至っては高校総体の県代表選手じゃん。
…ヤバい、ヤバすぎる!!
なんとも言えない表情のまま固まる。