Fall In Love~5日後の恋の行方~
「バイトってどれぐらいの人数がいるんですか?」
「君を入れて3人」
答えてくれたのは大久保さんだった。
私を入れて……?
「へ?」
驚いて顔を上げると、私は思わず息を飲んだ。
そこには初対面の時の鋭い目ではなく、穏やかに微笑んだ優しい笑顔があって。
――ドクン……
……ドクンドクン……
そのギャップに心臓がうるさく動き出す……
「菊池さんは採用ね」
彼は長い前髪をゆっくりと後ろへ掻き上げると、口を綻ばせて笑い、隣に居た佐野さんの肩をポンポンと叩いて立ち上がった。