バレンタインシンデレラ
2/14 (21:00)


家に帰ってからは自分の部屋でゴロゴロして、夕飯食べて、また部屋でゴロゴロ。
何もやる気起こらない。
私はベッドの上でバナナの抱き枕にしがみつく。
いつもならhiverくんにメールしてる時間だけど、とても自分から送るなんてできなかった。
だって相手の正体はあの冬月くんなんだもん。
ビビっちゃってメールなんてできない、今まで通りになんて。

にこっと微笑みかけているバナナの顔を無心に見つめていたら、枕の横に置いていたケータイがバイブした。
手に取って開くと、hiverくんからだった。

(hiver : 今日会えなかったね。まさかあんなことになるとは思ってなくて。ごめん)

私も思ってなかったよ。
まさかhiverくんが学年一のモテモテくんだなんて。

(lovefoxxx : ううん、hiverくんは悪くないから謝らないで。私の方こそごめんね)

そう。
私が逃げてなかったら、女の子達がいなくなるまで待っていたら、ちゃんと会えたはずなんだ。
でもそんなの無理だったんだ。
ごめんね。

(hiver : いや、lovefoxxxが謝ることなんてなおさらないから。ほんとごめん。
また日を改めて2人で会おうよ。今度は人が集まってこないようなところで。
学校の外にしようか。どこがいいとかある?)

そういう話になるのはあらかた予想がついてた。
私はあらかじめ用意していた答えを打ち込む。

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