バレンタインシンデレラ
ガラリ。


「わ~!来た~!」

ドアが開く音と同時に女子がざわざわ。
見ると、冬月くんとその友達らしき人が教室に入ってきた。

「わ!冬月くんだ!」
「ばらしちゃいなよ!」
「やだ!絶対やだ!」

夏帆ちゃんはニタニタ笑いながらドアの方へ視線を向けた。

「何してんだろ」

私も夏帆ちゃんの見る方に目を向けると、冬月くんとその友達が何やらものすごく長い紙を見ながら誰かを呼び、ちょっと喋っては次の子、と面接?めいたことをしているみたいだった。
すごく奇妙な光景。
一体何を話してるんだろう?

「ねえ、あかね!冬月達一体何してんの?」

夏帆ちゃんが近くを通り過ぎようとしたクラスメイトのあかねちゃんを呼び止め、尋ねた。

「あーなんかねー、アンケート的な?」
「アンケート?」
「そうそう。隣のクラスの子から聞いたら、どうやら冬月くんにチョコあげた人限定でやってるっぽい」
「え~?何それ~!」

昨日言ってた考えってこれかぁ!
私が思わず声をあげるとあかねちゃんは

「加恋もあげたの?やるね~」

と言い、フ~♪とはやし立てながら去っていった。

「加恋も呼び出されるってわけね。もうばらしちゃいなよ~」
「絶対絶対やだ~」

私はへにょへにょとまた机に突っ伏した。
アンケートって一体何なの!?
怖い…。

< 21 / 78 >

この作品をシェア

pagetop