バレンタインシンデレラ
「うん。まだ顔も名前も知らない」
「ブスだったらどーするー?」

からかうような口調。
hiverくんの話になるといつもこうなんだ。

「顔より性格の方が大事だもん!」
「とか言ってるけど本当にブスだったらドン引きするくせに」
「しません~、それにブスじゃないよ」
「なんでそう思うの~?」
「んんん…、女の勘!」
「加恋にそんなものあるわけないじゃーん!あはは」
「も~」

夏帆ちゃん、hiverくんのこと何にも知らないくせに!

「あ、ミニトマト!」

夏帆ちゃんが蓋をしようとしたお弁当箱の片隅にミニトマトを発見。
夏帆ちゃんはトマト全般が大嫌い


「もったいないから私が食べてあげる」

夏帆ちゃんは閉じかけていた蓋をぱっと開く。

「どうぞ」
「いただきまーす」
パクリ。
「トマト美味しいのに。何で嫌いなの?」
「全然美味しくないよ、中のつぶつぶなんて最悪だよ、気持ち悪い。ゥェ~」
「もったいない、トマトの美味しさがわからないなんて」
「もったいないもったいないっても~。何と言われようが絶対好きになれないよ」
「食わず嫌いなんだから」


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