バレンタインシンデレラ
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朝、正門から昇降口までの道を歩いていると、後ろから肩をポンと叩かれて声をかけられた。
「南さん、おはよ」
振り返ると、やっぱり冬月くんだ。
最近朝会うことも多くなったからなんとなくわかった。
「おはよ」
それにしても冬月くん、今日は一段と表情がにこやか。
「何かいいことでもあった?」
冬月くんはちょっと肩をすくめて微笑んでみせた。
「今日の一限体育なんだけど、今日は好きな種目をやっていいことになってるから」
そういえば、冬月くんはテニスのラケットのような形をしたバッグを肩から提げている。
「テニス?」
「そう。久しぶりにできるから楽しみで」
「テニスやってたの?」
「うん。中学の時テニス部だったんだ。高校でも続けたかったんだけど、廃部になっててさ。だからかれこれ一年振りなんだよね。どんだけ鈍ってんだろうな~」
そう言うと冬月くんはちょっぴり苦笑してみせた。
冬月くんはスポーツ万能としても名高いのにこんなことを言う、気取らないところが私はいいな、と思う。
「冬月くんがテニスしてるところ見たいな」
「え~南さんに空振りしてるところ見られたくないよ」
冬月くんは少し照れてるみたいに言う。
照れた様子の冬月くんはすごく可愛くて、見ると自然に頬が緩んできちゃう。
「空振りしてるところも見たいな~」
「絶対やだ」
朝、正門から昇降口までの道を歩いていると、後ろから肩をポンと叩かれて声をかけられた。
「南さん、おはよ」
振り返ると、やっぱり冬月くんだ。
最近朝会うことも多くなったからなんとなくわかった。
「おはよ」
それにしても冬月くん、今日は一段と表情がにこやか。
「何かいいことでもあった?」
冬月くんはちょっと肩をすくめて微笑んでみせた。
「今日の一限体育なんだけど、今日は好きな種目をやっていいことになってるから」
そういえば、冬月くんはテニスのラケットのような形をしたバッグを肩から提げている。
「テニス?」
「そう。久しぶりにできるから楽しみで」
「テニスやってたの?」
「うん。中学の時テニス部だったんだ。高校でも続けたかったんだけど、廃部になっててさ。だからかれこれ一年振りなんだよね。どんだけ鈍ってんだろうな~」
そう言うと冬月くんはちょっぴり苦笑してみせた。
冬月くんはスポーツ万能としても名高いのにこんなことを言う、気取らないところが私はいいな、と思う。
「冬月くんがテニスしてるところ見たいな」
「え~南さんに空振りしてるところ見られたくないよ」
冬月くんは少し照れてるみたいに言う。
照れた様子の冬月くんはすごく可愛くて、見ると自然に頬が緩んできちゃう。
「空振りしてるところも見たいな~」
「絶対やだ」