バレンタインシンデレラ
その日何が起きたか。
本当に謎なの。
私達がいつものやりとりを交わした後、冬月くんのもとにあの佐藤さんがやってきて、2人はほんの少しだけ何か喋った。
佐藤さんはこの前と同様満面の笑みを浮かべていたけど、冬月くんは驚いたような顔をしていた。
冬月くんは戸惑った様子で何度か私の方をちらちら見たけど、佐藤さんに腕を掴まれ何か言われると何か答えて頷いた。
そしてドアに一番近い席に座っていた男の子にひそひそと何か伝えると、冬月くんは私に向かって“ごめん”と手を挙げて、佐藤さんに引っ張られながらどこかへ消えてしまった。
先生がHRの終わりのあいさつを言い終えるや否や、クラスのみんなはガタガタ椅子を引いて立ち上がり、ドアの方へ流れていく。
でもそれとは反対に、さっき冬月くんに何か言われていた男の子が私に近付いてきた。
そしてこう言った。
「冬月が先帰っててだって」
久しぶりに一人で帰ってみると、寂しくてやりきれなかった。
それにショックだった。
今冬月くんはあの佐藤さんと2人でいるんだと思うと。
でもよく考えれば、私みたいのが今まで冬月くんと一緒に帰ったり、喋ったりすること自体そもそもあり得ないことだったんだ。
私ずっと浮かれてて、今頃になってやっと気付いたよ。
何が“いつか私がlovefoxxxだって気付いてくれないかな”だよ、私のバカ。
冬月くんの相手は冬月くんと釣り合うような人じゃないといけないのに。
佐藤さんみたいな。
私なんか冬月くんの隣にいる資格なんてなかったんだってば…。
本当に謎なの。
私達がいつものやりとりを交わした後、冬月くんのもとにあの佐藤さんがやってきて、2人はほんの少しだけ何か喋った。
佐藤さんはこの前と同様満面の笑みを浮かべていたけど、冬月くんは驚いたような顔をしていた。
冬月くんは戸惑った様子で何度か私の方をちらちら見たけど、佐藤さんに腕を掴まれ何か言われると何か答えて頷いた。
そしてドアに一番近い席に座っていた男の子にひそひそと何か伝えると、冬月くんは私に向かって“ごめん”と手を挙げて、佐藤さんに引っ張られながらどこかへ消えてしまった。
先生がHRの終わりのあいさつを言い終えるや否や、クラスのみんなはガタガタ椅子を引いて立ち上がり、ドアの方へ流れていく。
でもそれとは反対に、さっき冬月くんに何か言われていた男の子が私に近付いてきた。
そしてこう言った。
「冬月が先帰っててだって」
久しぶりに一人で帰ってみると、寂しくてやりきれなかった。
それにショックだった。
今冬月くんはあの佐藤さんと2人でいるんだと思うと。
でもよく考えれば、私みたいのが今まで冬月くんと一緒に帰ったり、喋ったりすること自体そもそもあり得ないことだったんだ。
私ずっと浮かれてて、今頃になってやっと気付いたよ。
何が“いつか私がlovefoxxxだって気付いてくれないかな”だよ、私のバカ。
冬月くんの相手は冬月くんと釣り合うような人じゃないといけないのに。
佐藤さんみたいな。
私なんか冬月くんの隣にいる資格なんてなかったんだってば…。