バレンタインシンデレラ
事の真相はこう。
2週間弱前、3月1日の放課後。
槙くんが教室で『ワンピース』を読み耽っていると、いきなり上から手が伸びてきてマンガを取られた。
見上げると、そこには佐藤さんがいた。
「学校にマンガ持ってくるなんていけないんだー」
「返して」
槙くんがマンガに手を伸ばすと、佐藤さんはマンガをさらに上に上げる。
「ちょっと借りもんなんだからそれ」
「返してほしけりゃ私の質問に答えて」
「はあ?何質問て」
佐藤さんは不敵な笑みを浮かべる。
「冬月くんはバレンタインデーが明けてからある人を探しているみたいだけど」
「そうですよ」
「一体誰を探してるの?」
「それは言えませんっ」
槙くんは隙をついてもう一度マンガに手を伸ばすも佐藤さんはそれをかわす。
「質問に答えてくれなきゃ返せないんだって。二度も言わせないでくれる?」
「言うなって言われてんだもん、ムリムリ」
また手を伸ばすも、かわされる。
「返せよ~!」
「教えてよじゃあ」
「だからムリ」
「教えてくれないんだったらこれ生徒会で没収するから」
「はあ!?」
「“学習に不必要なものは持ってこないこと”校則に載ってるでしょ?生徒会は学習に不必要と見なされるものは没収してもいいことになってんの。ちなみに没収されたものはすべてゴミ箱ポイ、後で取り返そうったって無理だから。でも、教えてくれたら返してあげるし、このことも冬月くんの探している人のことも黙っておいてあげる。だから安心して教えてくれて結構よ」
「なんだよそれ~」
「私口堅いし。そもそも教えてもらったところでそれをバラすことに何のメリットもないんだから、とっとと口を割りなさい」
槙くんしばらく悩み、
「絶対言うなよ誰にも!」
佐藤さんは満面の笑み。
「言わない言わない!さっさと教えて!」
2週間弱前、3月1日の放課後。
槙くんが教室で『ワンピース』を読み耽っていると、いきなり上から手が伸びてきてマンガを取られた。
見上げると、そこには佐藤さんがいた。
「学校にマンガ持ってくるなんていけないんだー」
「返して」
槙くんがマンガに手を伸ばすと、佐藤さんはマンガをさらに上に上げる。
「ちょっと借りもんなんだからそれ」
「返してほしけりゃ私の質問に答えて」
「はあ?何質問て」
佐藤さんは不敵な笑みを浮かべる。
「冬月くんはバレンタインデーが明けてからある人を探しているみたいだけど」
「そうですよ」
「一体誰を探してるの?」
「それは言えませんっ」
槙くんは隙をついてもう一度マンガに手を伸ばすも佐藤さんはそれをかわす。
「質問に答えてくれなきゃ返せないんだって。二度も言わせないでくれる?」
「言うなって言われてんだもん、ムリムリ」
また手を伸ばすも、かわされる。
「返せよ~!」
「教えてよじゃあ」
「だからムリ」
「教えてくれないんだったらこれ生徒会で没収するから」
「はあ!?」
「“学習に不必要なものは持ってこないこと”校則に載ってるでしょ?生徒会は学習に不必要と見なされるものは没収してもいいことになってんの。ちなみに没収されたものはすべてゴミ箱ポイ、後で取り返そうったって無理だから。でも、教えてくれたら返してあげるし、このことも冬月くんの探している人のことも黙っておいてあげる。だから安心して教えてくれて結構よ」
「なんだよそれ~」
「私口堅いし。そもそも教えてもらったところでそれをバラすことに何のメリットもないんだから、とっとと口を割りなさい」
槙くんしばらく悩み、
「絶対言うなよ誰にも!」
佐藤さんは満面の笑み。
「言わない言わない!さっさと教えて!」