バレンタインシンデレラ
いっつも話の長い先生が珍しく今日は短く終えたので、いきなり私のドキドキが激しくなった。
どうして今日に限って…。
時間が余ったので、私は夏帆ちゃんと喋りたくて、夏帆ちゃんの席へ近付く。
「夏帆ちゃん」
「ん?」
「今日も生徒会?」
「まあね。でも今日は楽なんだ」
「へぇ、よかったね」
「三井さん」
声のした方を見ると、入り口から冬月くんが顔を出していた。
途端に目が合い、私の頬は燃え上がったように熱くなったけど、冬月くんはいつもみたいに優しく微笑むだけだった。
そしてすぐに真顔に戻り、夏帆ちゃんに尋ねた。
「あいつどこにいる?」
「あいつって?」
「佐藤澄加」
佐藤澄加?
「ああ、そいつ生徒会室。ヒーヒー言いながら卒業式のプログラム綴じてるよ」
「ありがと、それじゃ」
そう言い残すと冬月くんは去って行った。
私のドキドキはしゅうん、と音もなく消えた。
冬月くん、佐藤さんのところに行くの??
メール送ったのに…。
どうして今日に限って…。
時間が余ったので、私は夏帆ちゃんと喋りたくて、夏帆ちゃんの席へ近付く。
「夏帆ちゃん」
「ん?」
「今日も生徒会?」
「まあね。でも今日は楽なんだ」
「へぇ、よかったね」
「三井さん」
声のした方を見ると、入り口から冬月くんが顔を出していた。
途端に目が合い、私の頬は燃え上がったように熱くなったけど、冬月くんはいつもみたいに優しく微笑むだけだった。
そしてすぐに真顔に戻り、夏帆ちゃんに尋ねた。
「あいつどこにいる?」
「あいつって?」
「佐藤澄加」
佐藤澄加?
「ああ、そいつ生徒会室。ヒーヒー言いながら卒業式のプログラム綴じてるよ」
「ありがと、それじゃ」
そう言い残すと冬月くんは去って行った。
私のドキドキはしゅうん、と音もなく消えた。
冬月くん、佐藤さんのところに行くの??
メール送ったのに…。