バレンタインシンデレラ
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「へーついに対面するんだー」
翌日、昼休みに夏帆ちゃんに報告した。
「そう!ついに!」
「どうすんの?ブッサイクだったら」
「どうしてそれ前提なの~そんなことないよ。ねえ、チョコって何がいいと思う?」

男の子はどういうお菓子が好きなのかよくわからない。
何しろ男の子にチョコをあげるなんて小学生以来だから。

「何でもいいじゃん」
「そんなもんかな」
「失敗しなさそうなやつが一番いいよ。生チョコとかトリュフとか。溶かして固めるだけのやつ。懲りすぎてもひかれるでしょ」
「なるほど」

hiverくんにあげるんだし、すごいのにしたいな、なんて考えてたけど、的外れだったかあ…。

「簡単なのを可愛くすればそれでいいじゃん」
「そっかあ。じゃあ生チョコにしようかな」
「本命に集中しすぎて友チョコ忘れたとかやめてね!」
「本命!?」

本命!?
思わず飲んでたいちご味のピクニックを吹き出しそうになる。

「あれ、本命じゃないの~?」
「本命じゃないよ!まだよく知らないし…」
「でも見たところ動揺してるみたいだけど」

夏帆ちゃんが大きくニヤリと笑う。
ほんとドSなんだから~。

「本命じゃないって~」
「本命でしょー」
「本命じゃないよ」
「本命に決まってんじゃん」
「本命じゃない~」
「絶対本命だー」
「…も~」
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