愛しい人へ



「汗、すげーな!」


暗闇から出てきた俺に仲間達は驚く。


「半端ねーよ」


俺はへとへとだった。



「まぁ、後半は彼女とイチャイチャできるんだからいいだろ?」



俺の濡れた着物を友達が回収した。




「だな」


俺は受付の横に座った。


俺が幽霊になってる間に
ずいぶんの人が来校していた。


「人すげーな」


「な!結構俺らのクラスも良い感じだぜ?」


「遣り甲斐ありますわ(笑)」




俺は少し受け付けで休憩した。




疲れのあまりボーとしていると、
荷物をせっせと運ぶタケが俺の前を通った。



「お!お疲れー!」


「おう」


「お前、もう少しで夏木の始まるぞ?
 体育館すげぇー人いたぜ?」


「俺、特等席あるから!」


「ああー贔屓(ひいき)されてるんだ」



タケはニヤっと笑った。




俺はタケの頭を軽く打った。
それから体育館に向かった。







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