愛しい人へ
そいつはそれだけ言うと、
体育館から出て行った。
「おい、待てよ」
俺はそいつを追いかけて、そいつの肩をつかんだ。
奴は思いっきり振り向いて
俺の手を払った。
そいつは静かな目で俺を見据える
「てめぇー今更なんで来たんだよ?
お前、陸だろ?」
「・・・・・」
「どの面下げてきたんだよ?
なぁー 言ってみろよ!!
てめぇー自分がしたことわかってんだろ?」
俺の怒鳴り声が響き
辺りがシーンとする。
「拓海っ!どーしたんだよ?」
クラスメイトが奮起する俺を止める。
タケが気づき、慌ててやってきた。