愛しい人へ
俺は地面に倒れ、
梨絵の顔を見て やっと冷静になった。
そしてあいつの姿が消えていることに気づき・・力尽きた。
土で汚くなったYシャツ姿のまま
俺は職員室に連れて行かれた。
1時間近く俺は説教を受けた。
陸の存在は言いたくなくて
他校の男子と喧嘩になったとだけ伝えた。
相手は暴力を振るってないから
悪いのは俺だと何度も頭を下げた。
おかげで陸のことは調べられずに済んだ。
俺が職員室から出ると、廊下にタケがいた。
「待っててくれたの?」
「ああ」
「悪いな・・2回も殴ったりして・・」
「別にそんなのはいいんだよ」
タケは力なく笑った。
「梨絵は・・・・?」
俺の問いにタケは気まずそうな顔をした。
嫌な予感がして、急に胸が騒ぎ出した。