愛しい人へ



俺は地面に倒れ、
梨絵の顔を見て やっと冷静になった。


そしてあいつの姿が消えていることに気づき・・力尽きた。





土で汚くなったYシャツ姿のまま
俺は職員室に連れて行かれた。




1時間近く俺は説教を受けた。

陸の存在は言いたくなくて
他校の男子と喧嘩になったとだけ伝えた。

相手は暴力を振るってないから
悪いのは俺だと何度も頭を下げた。


おかげで陸のことは調べられずに済んだ。



俺が職員室から出ると、廊下にタケがいた。




「待っててくれたの?」



「ああ」



「悪いな・・2回も殴ったりして・・」



「別にそんなのはいいんだよ」



タケは力なく笑った。





「梨絵は・・・・?」




俺の問いにタケは気まずそうな顔をした。



嫌な予感がして、急に胸が騒ぎ出した。
< 130 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop