愛しい人へ


あたしはその手を握りしめた。



「・・・・」 だまって陸が頭を上げた。


あたしを驚いた顔で見つめる。



「全部、聞くから・・・。
 続けて・・・」






「俺・・・。クスリに手出した・・・。」



「えっ・・・」


思わずあたしはひるんだ。

クスリ=怖い。 それがあたしの感覚だ。



「軽くだけど、俺には十分なくらいだった。
 言い訳になるけど、クスリのせいで暴力的になった」



「・・・・・いつから?」




「お前と付き合う・・・2日前・・・」




陸は床を見つめていた。


遠い過去を見つめているようだった。






そしてあたしにゆっくりと真相を話してくれた。
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