愛しい人へ




「もう・・・いいだろ?」



「え・・・?」



「だいたい話わかっただろ・・・。
 こんな話したって俺がお前を傷つけたことに
 なんも変わりないから・・・
 もう帰れ」




あたしは唇を噛みしめた。


俯いたまま絶対にここをどかないと決心していた。





「あたし、帰らないよ」



「はっ?ちょっ、なにいってんの?」



「あたしなんも知らなくて、なんかわかんないけど・・
 こんなことになってて、全部一方的じゃん!
 あたしにだって陸を支えたいっていう気持ちがあるんだよ・・・」



涙がボロボロと流れた。

馬鹿っ、あたしの泣き虫。

最悪・・・。




陸はスッとあたしの前まで来た。




そしてあたしの頭を1度だけ撫でた。




「すげー嬉しい。だから気持ちだけ受け取っとく。」




「・・・・なんでよっ!」



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