愛しい人へ



「今年も俺だけ仲間はずれかよっ」


雅人はそれから1日中不機嫌だった。







帰りはタケと雅人と3人で帰った。




「拓海、元気なかったよ」



タケが俺に言う。



「ああ・・・・ごめん」



「拓海が元気ないと俺まで悲しいんだからな」


「うん・・・ありがと」





正直、梨絵のいない教室はつまらなくて

なにより寂しかった。

同じになるのもしんどいけど、

違うクラスなのも辛い。

内心、期待していたから辛かった。








「そーいえば、夏木と同じクラスで喜んでた男子
 何人かいたなぁ~」


雅人が思い出したようにつぶやいた。



「てめぇー」


タケが雅人の腹を殴った。







< 179 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop