愛しい人へ
「いや、あれっきり梨絵とは話してないよ」
「そう。なんか、陸 クスリやってたらしいな」
「え、そうなの!?」
俺は立ち止まってタケを見つめた。
「あ・・・やっぱ知らなかったのか・・・」
タケは困った顔をした。
「なんか、友達をクスリから守ろうとして
そのまま自分もクスリに手をつけちゃったらしくて
それが夏木に暴力をふるう原因になってたらしい」
「・・・・・・・・」
なんて言えばいいのかわからなかった。
この話を俺が知らなかったのも なんだか悔しいし
そんな陸と夏木がいて大丈夫なのかと心配にもなった。
ふたりは歩き出した。
「それで・・母さんも死んじゃったらしい。
あいつはそのことで、頭が冷えたらしい。」
「そんで梨絵にも謝りに来たのか・・・」
「ああ。たぶん・・・」
「それ、タケは誰から聞いたの・・・?」