愛しい人へ
「クスリがあいつを壊したんだろうな。
本当はいい奴なんだと思う」
「それは俺も思う。梨絵が好きになった男だしさ」
俺はその辺に転がっている石をいじりながら答えた。
「だけど、いい奴に奪われると、すんげぇー惨め」
俺は半分笑いながらつぶやいた。
タケは真剣な顔で俺を見た。
「拓海はいい男だよ。
だから俺、拓海には絶対に幸せになってもらいたい」
「お・・・ありがと」
「夏木のことも少しずつでいいからさ・・・。
前に進もうぜ?」
「頑張るよ・・・・。」