愛しい人へ
「安部、いつもありがと」
照れくさいけど、感謝したかった。
ありがとう、と素直に言いたかった。
「なに改まって(笑)
っていうか、友達なんだからふつうでしょ!」
「いや、まじで感謝してるからさ」
「そんなのあたしもだって」
安部はとびきりの笑顔を向けた。
ポケットに手をつっこみながら
恥ずかしそうに言った。
「あたしも恋愛引きずってるんだ。
だから拓海の気持ちはすんごい分かるわけよ」
「安部は、本当に彼氏いないわけ・・・?」
「そうだってば!笑」
「阿部も同じ状況だなんて今日 初めて知ったんだけど」
もっと前から言ってくれればよかったのに。
俺ばっかり頼っちゃった。
「ごめんごめん!笑 拓海といたら楽しすぎて
そんなことすら忘れちゃってた!」
そういいながら笑う安部の
この笑顔の裏にも哀しみがあるのか・・・・?