愛しい人へ
やっとついた。
ふたりは腰を下ろした。
「ふ~疲れたなぁー」
俺は芝生の上に寝そべった。
「ありがと!」
安部は恥ずかしいのか俺と目を合わせずに言った。
「ん?なにが?」
「・・・手」
「ああ~なんか友達なのに手つなぐって変な感じだよな」
「・・・うん!」
あれ・・・なんかさっきから
ぎこちない?
というか、寂しそう?
「安部、なんか今日へんじゃない?」
「え?」
「なんか寂しそうな顔してるよ?」
俺の目を見つめ返してくる目。