愛しい人へ
梨絵との時間
初恋が忘れられない女。
夏木りえ
最後の恋が忘れられない男。
辻井拓海
-高校1年-
「ああぁーなんで居残りなんだし。
だいたい拓海がいけないんだろ」
「いやいや、すみませんねぇ・・・(笑)
まじで悪気はなかったんですけど...」
俺とタケと雅人はクラスのお調子者で
今日も、廊下で雑巾をボールにして
野球をしていた。
そしたら見事に俺の振ったバッドに雑巾がヒットして、
担任の顔めがけて雑巾が飛んでいった。
俺らの担任の先生は、男の体育の先生。
かっこよくて自慢の担任だけど
怒ると本当に怖い。
やられたらやり返すがモットーの先生なので、
生徒への扱いは荒い。
実際に俺が打った雑巾を力いっぱい俺の顔面に投げ返してきた。
「お前、覚えておけよ(笑)
今日は教室のそうじをたっぷりやらせてやるからな」
と、俺の頭をぐりぐりしてきた。
その結果、一緒にふざけてたタケも雅人も居残りに。
3人はモップと雑巾を持ったまま、
教室の床に座って、ため息をついていた
机を後ろ半分まで運ぶだけで疲れてしまった3人。
すると、教室のドアのところに
カーディガンに手をつっこんできょとんとした顔で夏木が立っていた。