愛しい人へ
梨絵の隠し事
季節は冬になり、
温かい布団から離れられない俺を
俊平が起こしに来た。
ドッスン!
俊平の起こし方は荒い。
走って助走をつけてから
俺の上に飛び込んでくる。
「うっ・・・」俺の目覚めは最悪。
だけど・・・
「拓海ぃ、起きたぁぁ??おはよぉうー」
この笑顔を見るとたまらない!
俺はワイシャツの下に薄手のものを着て、
それから温かいセーターを着込んだ。
そしてブレザーを重ねる。
朝食には家族全員がそろう。
姉ちゃん・俊平・健くん。
母ちゃんと父ちゃんに、中2の妹、未希。
「ああぁー寒いなぁー。」
健くんは、廊下のドアをしめてリビングに座った。
母ちゃんがいれた紅茶をみんな美味しそうに飲む。
俊平はオレンジジュースだけど・・・。