愛しい人へ
「書いたよ。」
10分くらいして拓海が声をかけた。
「つるした?」
「うん(笑)」
拓海はなぜか得意げに笑う
「なんで笑ってんの?」
「なんでもないよ」
あたしは訳が分からなかったけど
とりあえず良かった。書いてくれて・・・
「へぇー安産で有名なお寺でもあるんだ~」
拓海が柱に貼ってある紙を見ていった。
「そうなんだよ」
「ここに来る人は幸せにあふれてるんだろうなー」
優しい笑顔なのに、やっぱりどこか寂しそう。