愛しい人へ
「ふ~」小さなため息をついて
俺は視線を前に戻す。
すると2つ前の席に座っていた雅人が
すでに号泣していたので笑ってしまった。
雅人のクラスメートたちが
「おい、泣くなよ~」と囁いている。
退場するときには、
ほとんどの生徒が泣いていた。
雅人はさらに激しく泣いていた。
俺もうっすらと涙が出そうになったけど堪えた。
ああ、卒業するんだ。
実感がわかないまま拍手の中で退場した。
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