愛しい人へ
「・・・・・・・・拓海、まだいたの?」
その声に俺はゆっくりと顔をあげる。
安部が立っていた。
「あれ、安部まだいたの?」
「それはこっちのセリフだってー(笑)」
安部は俺の横に腰をおろした。
「梨絵待ってるんだけど、
やっぱりもう帰っちゃってるのかもしれないわー」
「梨絵ちゃんならずっと前に帰ったよ
あたしすれ違ったし」
「やっぱりかー」
俺はまた顔をうずめた。
安部は何も言わず隣にいてくれた