愛しい人へ


「お前、いつもああやって叩かれたり殴られたりしてるんだろ?」


「・・・・・・してない」



「だから!!!!なんで嘘つくんだよ、お前は!」


俺は怒鳴ってしまった。



「なんで俺にだけには言わないでとか言うんだよ!
 俺はお前のなんなんだよ?
 友達じゃなかったのかよ? あ”??」


俺は梨絵を思いっきり睨んだ。



まだとまらなかった。



「お前、間違ってるよ!!
 俺のこともなんだと思ってんだよ?
 俺だけ何も知らなくて、
 お前のつくり笑顔に騙されて・・
 まじで、お前、ふざけんな」



最後は力なくそう言った。



梨絵が目の前で号泣するからだ。

唇をかみしめて堪えているけど
大粒の涙が両目から溢れてくる。






俺は立ち去った。




少し距離をおこう。





そう思った。

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