愛しい人へ


「ごめん。ちゃんと話すわ」


俺は、喧嘩したことも含めて全部話した。


ふたりは難しそうな顔をしながら聞いてくれた。



「夏木、見失ってるんだろうな」


雅人が話を聞き終えてから、つぶやいた。


「そんぐらいすきなんじゃねーの。
 好きなら何でも耐えられる。
 今の夏木はそうだろう?」


タケは悲しそうに言った。



「しばらく離れていようと思う」

俺がそういうと、雅人がすぐに言った。


「でも、お前、本当は辛いんだろう?
 夏木が彼氏に暴力振られてる姿みたり
 聞いたりするの。
 助けてやりたいんだろ?」


「そりゃそうだよ。
 だけど、あいつが俺に黙ってたのが悔しいんだよ」


「心配かけたくなかったんじゃねーの?」

タケが俺に言った。


「そうだよ」雅人も続いた


「拓海と夏木って特別じゃん。
 ただの仲良しこよしじゃないんだろ?」


タケと雅人はそれを1番よくわかっていた。


「なら、大切な拓海には知られたくないっていう
夏木の気持ちもなんかわかる気がするよ。」



「わかるってなんだよ?」


拓海が思わずタケを睨んでしまった。



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