愛しい人へ


「うーん」俺が言おうか迷っていると、


「話したらスッキリするぞ?」

と、健くんが言った。



迷ったあげく、俺は話すことにした。



「夏木っていう女友達がいるんだけど・・。」


「ああ。俊平がキリエちゃんって言ってる子?」


「ああ。そうそう(笑)」


俺はキリエちゃんと呼ぶ俊平のことを思い出して笑った。



「そいつ、彼氏に暴力振られてるの」


「え?ひどい・・」姉ちゃんが口に手をあてて言った。


「俺も、何回か目撃しちゃって、
 普通に駅とかでぶたれてるんだよ。
 でも暴力うけてるの知ったのは俺が1番最後で、
 夏木は俺にだけは知られたくないっていって
 みんなに口止めしてたんだって」



「んー」ふたりがあいづちをつく。



「1度それで感情的になっちゃって
 夏木と喧嘩になっちゃって、
 だけどあいつは彼氏と離れる気ないみたい。」



「そんなにすきなんだ・・」姉ちゃんが同情するように言った。




「俺、あいつを説得しようと思って・・。
 でも、最近 学校こなくなって・・・ 
 無断で休んでるっていうからメールしてみたんだけど
 返信こなくて・・・」




「んー。そんなことがあったのか」


健くんも悩んでいる。
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