愛しい人へ
お肉と飲み物を注文すると、
梨絵はまじまじと俺の顔をみてきた。
「今日は語らない?」
「いいけど・・(笑)いきなりなんだよ」
「うーん、なんとなくね」
「なんとなく?」俺は聞き返した。
しばらく梨絵は考えたあと、
俺の目を見て言った。
「なんかさ、拓海って違うじゃん!」
「そう?」
「うん。タケも雅人もお調子者で、
すぐかわいい女の子見ると、デレデレして
近寄ったりするじゃん(笑)
いまどきの男って感じじゃん!」
「へー(笑)」
梨絵がこんなことを言うなんて
意外だった俺は、少し聞き入ってしまった。
「だけど、拓海は違うよね。
なんか少し冷めてるっていうか・・・。」
「どこがよ?」
「うーん。恋とかしたことあんの?」
梨絵がまじめな顔で聞いてきたので、
俺はきょとんとしてしまった。