愛しい人へ
俺は
梨絵の襟をそっと離した。
俺は膝をついた。
俺の悲しい目を梨絵の悲しい目がじっと見てくる。
俺は、梨絵を抱きしめた。
梨絵は力なく、俺にもたれかかるようだった。
梨絵は
「うぅ・・・・ うぅ・・・ぐすんっ すぐんっ」
涙が溢れてだしていた。
ずいぶん細くなってしまったと思った。
この1週間、なにがあったのか考えるのも怖かった。
「辛かったろ? 辛いときはなぁ、泣けば良いんだよ。
俺、お前が泣き終わるまで、ずーとこうしててやるよ?
膝しびれてるけどな(笑)」
「うぅ・・・・・。うぇん・・・ぐすん。」
梨絵は体をヒックヒックと震わせて泣いた。