愛しい人へ
「これから、お前のこと梨絵って呼ぶから!」
ごまかすように笑った。
「え?」 驚いた顔をする梨絵。
「あと、約束して。
俺とお前は親友だって」
自ら悲しい約束をした。
親友って言葉ほど悲しい言葉はない気がした。
だけど、親友という壁を置いておかなくちゃ
俺は梨絵を向き合えなくなりそうだった。
「うん」梨絵はうなずいた。
「周りにどんだけ迷惑かけたっていいよ。
だけど、心配だけはかけんなよ。」
俺は真剣な目で梨絵を見た。
「わかった」梨絵も真剣な目で頷いた。
俺は「じゃあまた明日な」
と言って部屋をでた。