愛しい人へ
「えー拓海の彼女?」
健くんはまじめな顔で言う。
「だーかーら、違うって!」
何回、否定しても健くんには通じない。
「拓海には、もったいねーな」
まだ言うのか。
「パパ違うよ。拓海の親友!」
姉ちゃんが笑いながら言った。
「じゃあ、あれだな!will!!」
健くんは自信満々に言った。
「どういう意味?」
母ちゃんが聞いた。
「だから未来形だよ!
いずれ、彼女になるってこと!」
健くんは大笑いしている。
俺は呆れて何もいえなかった。