愛しい人へ
「もう、泣くなよぉー」
帰り道もまだ泣いている俊平。
右手を俺に見せてきた。
「ん?」
「さっきはね、この手をね、キリエちゃんが
つないでくれてたのにね、
今は拓海の手だけなんだよ・・・。」
ボロボロと泣く俊平。
「あぁ・・・(笑)」
この性格どっちに似たんだ?
ちょっとオーバーすぎだろ・・。
家に帰ると、
俺が泣かせたと思われて大変だった。
理由を話すと、全員大爆笑。
「俺に似て、優しい男になったな!」
健くんが大喜びした。
俊平はしばらくして
泣き疲れたらしく、ぐっすりと寝てしまった。