ディア フレンド
「アイツかなり内に溜めるタイプだから・・
疲れたんだろう。」


「そっか・・アタシも頑張らないと。
あっ、もう8時じゃん!? 行かないと。」


アタシは椅子から立ち上がる。そして食器を手に持って厨房に向かう。

「おい、そんなに早く行くのか? 
まだ8時だぜ?」


アタシは急に立ち止まり、勢いよく振り向く。
危うく食器を落としそうになる。間一髪それは免れた。


「だって早く行かないといけないんだもん。
そういう風に婆っちゃに言われたの!」

そう言い残して厨房に食器を置いてくる。
シンクに食器を置いておく。帰って来てから洗わないと。
アタシはダッシュで大広間に戻り、エナメルを取りに行く。
あっ、飲み物! ふと思い出し、厨房に戻る。
冷蔵庫を開け、見回す。う・・ん。

これでいいよね、アタシは水をアルプス天然水を取り出し
カバーをつける。これは有李栖に買って貰った。
全体がオレンジ色でクマが可愛くあしらわれている。
これをもって急いで行かないと。
アタシはダッシュで大広間に戻る。


「お前って走るの好きだよな。いつも移動手段走ってない?」


「だって、間に合わないもん。じゃあ、行くね、」


「俺も行くよ。1人だとなんかだるいし、」



「早くしてよ! 」

渉はゆっくり立ち上がり厨房に行く。もう早く~!!
アタシは苛々しながら渉が来るのを玄関で待つ。
無意識に足でリズムを取っていた。
アタシの苛々が頂点になる前に渉がエナメルを肩に担いで来た。

「悪い悪い、じゃ行くか。」


「おっそい・・」

アタシは玄関を開ける。ガチャッ。
一応鍵は掛ける。今日でハヤテ様が帰ってくるけど
用心のために鍵は掛けないと。か弱い女の子1人だしね。


鍵を掛け、門をくぐり学校に向かう。

「なんで鍵掛けたんだ?ハヤテ帰って来るじゃん。」


「だって有李栖1人だし、か弱いから・・・」
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