ディア フレンド
「ああ、有李栖はお前と違ってか弱いもんな。」


「まぁね、アタシお姫様タイプじゃないもん。
どっちかと言うとジャンヌ・ダルクみたいに剣を振り回して
戦ってる感じじゃん?」


「今日はやけに機嫌いいんだな・・・
いつもならカウンターが来るとこだが・・」


「だって今日は待ちに待ってた部活よ?
高跳びよ? た・か・と・び☆」


アタシはずうっと高跳びに憧れていた。
お兄ちゃんが陸上部で高跳びだったからだ。
一応、都大会1位。関東大会では5位。
お兄ちゃんが跳ぶところは凄くかっこいい。
自分の兄だけどそこは自慢出来るのだ。
本当はアタシも陸上をやりたかったけど婆っちゃに無理矢理
武道への道に引きずり込まれた。まぁお陰で男にも勝てるようになったけど。


「へええ・・お前の兄貴も確か、高跳びだっけ?」


「うん、凄いかっこ良かったんだよね・・
確か、恭也くんだっけ? 関東大会1位の。」


「ああ、恭也か。アイツ凄いよな、
おまけに頭いいんだぜ。高校何処でも行けんじゃん。」


「渉は頑張んないと。サッカーで行けても、頭が・・ね?」


「うっせー。しゃあねえだろ、馬鹿なんだから」

「ハヤテ様と剛さんは頭いいのにね」


「兄貴は出来が違うの。俺はスポーツ一筋なの!」


「どうだか・・」


渉といつものように学校に行く。
なんかいつも有李栖が突っ込みを入れるからちょっと寂しい。
有李栖は部活入ってない。
しょうがないよね・・いろいろあるし。

夢中で話しているうちに学校の坂を上っていた。
今日からここ走るのかな。 ちょっと楽しみ、

坂を上り、部室に向かう。ここで渉と別れる。
えっと・・何処だろ。 アタシは必死に探す。
階段上るのかな? 一応、階段を上り右往左往しながら探す。

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