ディア フレンド
隣で紗羅も渉に見惚れているようだ。
アイツのどこがいいんだかね・・・
アタシは紗羅の肩を軽く叩く。
紗羅は一瞬ビクッと身体を跳ねさせ、我に戻る。
恋する少女ってか。可愛いな・・アタシはちょっと悲しくなるよ・・


「渉目当てで陸部入ったとか?」

「それは違う、陸上したかったの。
だって面白いし。自分と戦うのって
1番面白いから。」

紗羅は目を輝かせる。アタシは憧れて入った。
入ったからには絶対いい成績残してやる。

それからドリルと呼ばれるなんかフットワークみたいのをやる。
いちいち、挨拶必要かな?
少し疑問を持ちながら挨拶を返す。


こういうのも新鮮でいいかもね。
でも、男子も一緒って。なんか凄い人数なんですけど!?
ドリルが終わり、流しをする。
やっと走れる。流しの距離短くないですか?
なんか突っ込むとこが一杯あってウケる。


それから流しが終わり、各自のメニューに入る。
アタシはどうすればいいのかな・・・
少しうろたえていると先生が良いタイミングで登場。
ナイスだよ。 アタシは紗羅から借りたスパイクを履く。
凄くかっこいいな・・青色で紐がピンク。
なんかスゲエ・・サイズもピッタリだ。
さて始めますか!! 


「杏南。高跳びしたいんだろ?
俺、教えてやるよ。」

誰かに話し掛けられる。恭也くんがアタシを見下ろしている。
ここで話し掛けられるとは思わなかった。
アタシはとりあえず答える。

「ありがとう。なんでアタシが高跳びしたいって知ってるの?」


「えっ// 渉から聞いたんだよ。あいつとは
小学校のときから仲良いからな。」


クールに笑う。なんか伶哉くんや渉とはまた違う系統。
思ったよりクール感じ。でも結構可愛く笑う人。
なんか友達また増えるな。嬉しい☆


「へえ、早く跳ぼう!時間無くなっちゃう。」


「あっ・・ああ。」

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