ディア フレンド

「渉のことは・・１番信用出来る人。
一緒に居て素直になれる人・・くらいなのかな。」


「そうなのですか。
渉様は恋人作らないのですかね・・
あんなに素敵な方でしたらすぐに出来ると思うのですが。」



確かに、中学２年までは知らないケド最近は
彼女がいるという情報も聞かない。
作ればいいのに・・まぁサッカー一筋なのかな。


「渉はサッカー一筋だと思う。
アイツ、中途半端は嫌いだから・・」


ギーストはそれ以上話さない。
アタシも話すのをやめる。気が付くと屋敷に着いた。
ギギー、独特の音が響く。
ドアを開けると渉が丁度、出迎える。
アタシの顔を見るなり、抱き締める。

「お前・・どこ行ってたんだ・・
心配してた・・・」


「渉？・・修行だよ？
アタシ封鬼師だから。でも、
心配してくれたんだ・・ゴメンね、」


ギュッ。力が強くなる。
渉の温もりがじかに伝わる。
そんなにアタシを心配してたんだ・・
渉の存在はアタシの中で１番大きい。
渉がいるからアタシは戦える。これって―。


「あの、お取り込み中のところ申し訳ないのですが・・」

ギーストが口に手を当てながら話す。
その瞬間、渉がパッと離れる。
顔を真っ赤にしてしどろもどろしている。

「あっ・・杏南、ご、ご、ゴメン。
えっと、、ギースト。ゴメンな、」



「いえ、くすくす・・
では杏南様、行きましょうか。」

「渉、ゴメン。後でね、」


アタシはギーストの後に着いて行く。
あんなに強く抱き締められたのは初めて・・
心臓の鼓動が少し速くなる。まだ身体に温もりが残る。
渉の心配そうな顔。凄くドキドキする・・・