ディア フレンド
杏南side
『杏南・・杏南。』
アタシは今、どこにいるのだろう・・
誰かの声で目を開ける。目の前には綺麗な瑠璃色の髪の人。
瞳は青みがかっていて・・しきりにアタシの名を呼んでいる。
どうしてアタシの名を呼ぶの?
「貴方は・・誰なの?」
女の人は悲しそうに俯く前も名前を聞いた途端、
俯いてしまった。そして、その後―。
女の人はゆっくり顔を上げる。
目は真っ直ぐアタシの顔を見ている。
あれ・・お姉、ちゃんに似てる?
アタシは恐る恐る聞いてみる。でも、答えを聞くのが怖い。
真実を知ったアタシはどんな顔で
話せばいいの? 知りたかったこと。
聞いても・・いいの?
「貴方は・・お、姉ちゃん?
り、隣城波留華なの?」
女の人は薄っすら笑みを浮かべ、
アタシにゆっくり近付いて来る。
そして、ギュッと抱き締められる。
何だか・・懐かしい。小さいトキの記憶が
走馬灯のように脳裏に駆け巡る。
「そう・・わたしは―。
でも、名前を名乗れない。わたしは
隣城の名を捨てたのだから・・」
「お姉ちゃん、じゃ・・ないの?」
「名前がないの・・だから自分の存在が
分からない。でも、杏南のことずっと
忘れられなかった・・心配で―。」
『お姉ちゃん』はアタシの肩で涙を零す。
温かい物が肩に落ちる。
アタシは複雑な気持ちだ・・
6年ぶりに会えたのに・・何故? 嬉しくない。
「お姉ちゃん・・真実、教えて欲しい。」
その瞬間、『お姉ちゃん』は
アタシから離れる。
その表情は恐怖で蒼ざめている。
どうしてだろう。お姉ちゃんに憎しみの念しか溢れない。
こんなにアタシの中に冷酷な感情があったんだ・・
「真実・・わたしは―。」
「お母さん・・・隣城佳苗を刺した。
それは間違いじゃないのね?」
『杏南・・杏南。』
アタシは今、どこにいるのだろう・・
誰かの声で目を開ける。目の前には綺麗な瑠璃色の髪の人。
瞳は青みがかっていて・・しきりにアタシの名を呼んでいる。
どうしてアタシの名を呼ぶの?
「貴方は・・誰なの?」
女の人は悲しそうに俯く前も名前を聞いた途端、
俯いてしまった。そして、その後―。
女の人はゆっくり顔を上げる。
目は真っ直ぐアタシの顔を見ている。
あれ・・お姉、ちゃんに似てる?
アタシは恐る恐る聞いてみる。でも、答えを聞くのが怖い。
真実を知ったアタシはどんな顔で
話せばいいの? 知りたかったこと。
聞いても・・いいの?
「貴方は・・お、姉ちゃん?
り、隣城波留華なの?」
女の人は薄っすら笑みを浮かべ、
アタシにゆっくり近付いて来る。
そして、ギュッと抱き締められる。
何だか・・懐かしい。小さいトキの記憶が
走馬灯のように脳裏に駆け巡る。
「そう・・わたしは―。
でも、名前を名乗れない。わたしは
隣城の名を捨てたのだから・・」
「お姉ちゃん、じゃ・・ないの?」
「名前がないの・・だから自分の存在が
分からない。でも、杏南のことずっと
忘れられなかった・・心配で―。」
『お姉ちゃん』はアタシの肩で涙を零す。
温かい物が肩に落ちる。
アタシは複雑な気持ちだ・・
6年ぶりに会えたのに・・何故? 嬉しくない。
「お姉ちゃん・・真実、教えて欲しい。」
その瞬間、『お姉ちゃん』は
アタシから離れる。
その表情は恐怖で蒼ざめている。
どうしてだろう。お姉ちゃんに憎しみの念しか溢れない。
こんなにアタシの中に冷酷な感情があったんだ・・
「真実・・わたしは―。」
「お母さん・・・隣城佳苗を刺した。
それは間違いじゃないのね?」