ディア フレンド
「どうした? なんか暗い顔して・・」


「えっ?そんなことないよ。
信念があっていいなって・・・」


「信念っていうより負けず嫌いなんだよな。
俺って、自分が1番がいいっていうか・・
これに関してはあの人以外に負けたくないから。」


「あの人って?目標にしている人?」


「ああ。聖って知ってる?
隣城聖。高跳びで全国3位。スゲエよな・・
俺、あの人の跳び方見たんだ・・
凄く綺麗で・・だから、いつか勝ちたいな・・」


「隣城聖・・やっぱお兄ちゃんだ。」


「えっ?・・お兄ちゃん!?
杏南の苗字って・・隣城?」


「うん。聖はお兄ちゃん。
お兄ちゃんも負けず嫌いだもんな・・」

恭也くんは目をパチパチさせてる。
凄く信じられないって言いたそうにしてる。
お兄ちゃんは陸上界では有名だからね・・

「スゲー・・だから初めてなのに
135センチ跳んだのか?」


「小学校のとき跳び方教えて貰ってたから。
最近会ってないな・・」


「ったく。いつまでラブラブしてんの?」


声がする方に振り向く。
海來たちが呆れた表情で仁王立ちしている。
凄く怖いですよ・・・

「ラブラブしてないし・・
ちょっと指導して貰ってたんだもん。」



「へええ・・まぁいいけど。
恭也も自主練? お疲れ。」


「ああ、大会近くなってるからな。
リレー頑張れよ?」


「ありがと。賭けの話覚えてるよね?」


「まぁ・・ホントにやるのか?」


「勿論。」


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