ディア フレンド
渉の左頬にそっとキスする。
アタシはとりあえず知らないふり。

「えっ//杏南? 今・・」


「別に、何もしてないケド?」

ちょっとだけドキドキした。
別に渉のことは特別好きとかじゃないけど・・

「さて、ケーキ食べよ?
お腹空いたよ!!」

みんなは思い思いに料理を食べ始める。
これ誰作ったのかな・・凄く美味しい♪
ケーキも凄く美味しい。
今日は最高の誕生日♪


「この料理誰作ったの?」


「これはギースト。ケーキは私。」

「ギースト料理上手いんだね・・
びっくり。」


「いえいえ。杏南様も随分大胆なのですね。」


「? 何が?」


「渉様にキスされてたじゃないですか。」

「ああ、ホッペくらいなら別に・・
まぁノリっていうか。」


「渉様羨ましいですね。
お嬢様は・・はぁ・・」


「ギースト? あんまり軽口が絶えない様なら・・
息の根、止めるわよ?」


「有李栖、ギーストに優しくしようよ・・
一応、付き合い長いんでしょ?」


「コイツは変態だからいいの。
杏南も気をつけてね。」


「変態とは・・酷いですね。
私は健全なのですよ。」


ギーストと有李栖は凄く仲が良い。
アタシはふと正面の伶哉くんと目が合う。
クイクイと手招きされる。アタシは自分を指差す。
伶哉くんはうんうん、と頷く。
アタシは椅子から立ち上がる。

「杏南? 何処行くの?」

「ちょっとトイレ。」

< 135 / 182 >

この作品をシェア

pagetop