ディア フレンド
「あっ/// 伶哉くん!?」


「ゴメン、足元に蝶がいたから・・」


アタシはさっきアタシがいた方向を見る。
綺麗な銀色の蝶がピンクの薔薇に止まっていた。
銀の蝶っていたっけ? でもあのままアタシ歩いてたら
確実に蝶々を踏んでしまうところだった。
伶哉くん、それを避ける為にアタシの腕を引っ張ったんだ。

なんか残念なような・・
でも、伶哉くんって良い匂いするな・・
洗剤の匂いかなぁ・・心地いいなぁ・・
花の香りがアタシの鼻腔をくすぐる。

「あっ//杏南・・ご、ゴメン//
急に抱き締める形になって///」

そう言って伶哉くんはアタシから離れる。
ちょっと名残惜しい気もするけど・・

伶哉くんはアタシから目を逸らしてしまった。
余程恥ずかしかったのだろう。

♪♪~♪

着信音。有李栖辺りがアタシのトイレが
長いのに不審を感じ電話をしてきたところかな。
すぐに携帯のディスプレイを見る。

『有李栖』

「もしもし。ゴメン、ちょっと話してた。」


「もう・・心配してたでしょ?
私からプレゼントあるから戻って来て。」

ガチャッ。
すぐに切られた。まぁいいか、

「なんだって?」


「すぐ来いって。
有李栖からもプレゼントあるみたい。」

アタシたちは薔薇園を後にする。
バラたちが風で揺られている。
まだ夏なので日は浅い。凄く辺りは明るいのだ。
屋敷に戻り、大広間に戻る。
すると、また5姉妹が楽器の準備をしていた。

「杏南~!なにしてたの!
今度は伶哉くんとラブラブ? 
罪な女だねぇ? 杏南は。」


「罪って・・アタシ好きな人いないし。
だから罪にはなってないでしょ?」


「はいはい。有李栖からは
歌のプレゼントみたいよ?
ちょっとウケるよね?」

< 137 / 182 >

この作品をシェア

pagetop