ディア フレンド
「しょうがないでしょ?
みんなとかぶらない様に考えたんだから。」


「凄ーく、かっこつけみたい(笑
まぁ、いいか。有李栖の生歌も初めて聴くし。」


確かに有李栖が歌を口ずさんだり
カラオケを行くとこは見たことがない。
歌声もみんな聞くのは初めての筈だ。
意外に音痴だったりして・・・(笑


楽器の準備が整ったらしく有李栖が
ステージに上がる。
一応、この日の為にステージを作ったらしい。
いつの間にかキーボードはグランドピアノに変わっていた。

「さて、一応。トリかな・・
私からみんなにまぁ、特に杏南に
歌を送ります。音痴だったらゴメン・・」


ピアノの椅子には遥妃。
5姉妹はステージの下でアタシたちと
同じように見ていた。
今回はギターは紗羅・ドラムは海來らしい。

ポロロン・・・♪

遥妃は鍵盤の上で軽やかに指を滑らせる。
遥妃ってピアノ上手いんだ・・・
曲も作ったのだろう・・
凄く前奏はゆっくりでバラードだ。
ピアノだけで涙が出そうになる。



「♪ずっと言いたかった この想い

君に伝えたい この言葉たち

今日は特別な日だから 素直に届けよう・・♪」  


有李栖の心に語り掛けるような歌声。
まるで歌手のような歌い方。
こんなに歌が上手かったなんて知らなかった・・


「♪いつだって私は君に頼ってばかりの

泣き虫で強がりだけど 
今日は君に伝えるから all wards♪


ずっと言いたかった この想い

君に伝えよう この言葉たち

so it`s happy for me to be you.♪」


ツー・・
頬から一滴涙が零れ落ちる。
有李栖の綺麗な高音が心を洗ってくれる。
凄く素直で不器用な歌詞・・
有李栖らしくて・・涙が止まらなくなる
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