ディア フレンド
「clover  絶望の淵に

clover 1つ咲いた
  you are light of all.・・

君に届けたい 気持ちを
 言葉にして 伝えよう・・

少し恥ずかしいけれど
   今日は特別な日だから・・


thankyou for to be.
you are happy clover.
happy birthday to you.♪」


有李栖の頬にも一滴、涙が零れる。
自分の誕生日に歌をプレゼントされるのも
悪くない。
有李栖がアタシのために歌を作って
遥妃がアタシのために曲を作って
海來と紗羅がアタシのために
楽器を練習して・・

友達が自分のためにこんなに
素敵なプレゼントを用意してくれた。
それだけでも嬉しいのにサプライズ・・

嗚呼。アタシは幸せなんだ・・・

「♪幸福(しあわせ)な日々に君に
   誰よりも幸せになって欲しい。

we loved clover forever・・・♪」


歌詞が終わり、遥妃のピアノが
静かな大広間に響き渡る。
渉も、伶哉くんもハヤテ様も
黙って遥妃のピアノを聞き入る。
1番涙脆いオリークが声を押し殺して
泣いている。
キイムも今にも泣きそうにしている。

ポロロ・・・ポロン♪・・・・

最後の音が終わる。
それと同時に拍手が沸き起こる。
アタシはもう涙が止まらず拍手どころではない。

有李栖は静かに礼をする。
みんなに微笑み、ステージを下りる。
有李栖はアタシのところに歩いて来る。

恥ずかしそうにはにかむ。
アタシは泣きながらお礼を言う。

「有李栖・・あり、がと・・・」


「下手でゴメンね・・
これからも、頑張ろう。」

アタシは大きく頷く。
まだ戦いは始まったばかり。
有李栖との別れのカウントダウンも
始まる。
鬼の一族を倒すため、修行をしないと・・・

アタシは今一度、決意を固める。
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