ディア フレンド
「これをつけているときはこの子たちを自由に呼び出せる。でも、その分だけ自分の霊力が消費されること忘れないで。」

有李栖がつけ終わる。すると、巨大な錘を体につけられたような感覚に陥る。肩、腰、頭に重石が圧し掛かる。特に頭がズキン、ズキンと一定なリズムで締め付けの波が来る。あまりの重圧にその場にしゃがみ込む。動くことが出来ない。

「有李栖様、杏南様が・・あたしたち5人は難しいです。」

「そうね・・初めてだしね。しょうがないわ・・・」


「ディフカ!1回消えなさい!!」


「は? 1番年下だから消えんの?意味わかんない!!たまには1番上から消えれば?」

「あたしは長女としてのメンツがある。じゃあ、真ん中から消えればいい。」


「私は・・オリーク姉さんから消えて下さいよ!!」


「じゃあさ。1番、弱い順でどう? やっぱジュシフじゃん?」

5人が言い争うたびに痛みが増す。お願い早く黙って・・ああっ・・・

「こういうのが杏南様に迷惑が掛かる。ここは公平にじゃんけんで。」


「「「「「最初はグー、じゃぁんけぇん・・・」」」」」

じゃんけんの結果。トゥラムが勝ち残った。1人ならなんとか大丈夫だ。
自分でも情けない。余程、有李栖の霊力が凄いのだろう・・・
それに比べてアタシは・・・・はぁ~。

「今日は私ですね。杏南様、大丈夫ですか?」

「あっ。うん、ゴメンね、アタシの霊力が少ないから・・・」



「気にしないで下さい。杏南様を独り占めできるので嬉しいです☆」

可愛い笑顔で言う。えっと名前は・・トゥラムだよね。凄くおっとりしてて話しやすい。髪はベージュ、セミロングで内側にカールがかってる。
賢そうな顔をしている。失礼だが、強そうには見えない・・・

「じゃあ、後は2人で修行してて。今日は私が晩ご飯作るわ。」


そう言い残して有李栖は屋敷のほうへ向かった。まかせていいのだろうか・・・
アタシは呼び止めようとしたが、トゥラムに止められた。

「大丈夫です。有李栖様に任せても。さぁ、わたしたちは軽く修行しましょう。」


すると、トゥラムは屋敷のほうへと向かった。アタシは鞄を持ち。歩く。なんで修行するのに屋敷に行くんだ?
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