ディア フレンド
アタシはスパイクを履き終え、高跳びの
とこに行く。
既に恭也くんは練習していた。
アタシの身長を裕に超えた高さを意図も簡単に
跳んでいたのだ。

ボスッ。
丁度恭也くんが終わって2年生の男子が
跳んでいた。
その子はせいぜいアタシの身長程度。
いかに恭也くんが凄いのかが分かる。

「恭也くん。」


アタシが名前を呼ぶと走って
こっちに来てくれた。
凄く心配そうに見つめている。

「お前・・膝・・・大丈夫か?
血、染みて来てるけど・・・」


アタシはふと膝に視線をやる。
確かに血が染みて来ていた。
ちょっと・・ってかかなりグロいな・・
まぁ痛みはそんなにないから大丈夫だ。


「大丈夫。寝不足でさ・・
自己管理ちゃんとしなきゃって
來夢ちゃんに怒られちゃった。」


「ああ・・お前。無理すんなよ?
きつかったら休め。」


「ありがとう。でも、
中途半端はイヤだから。
アタシは大丈夫☆」

心配させないように笑顔でいる。
でも、本当は今も眠くて気力でいるような状態。
これ以上迷惑は掛けたくない。
だから、アタシはいつものように
歩数を合わせて、跳ぶ準備をする。

「杏南先輩。何センチにします?」


「―140センチ。」


挑戦する。140センチはまだ跳んだことがない。
でも、菊稟中学の香里里桜は150センチ跳ぶ。
だからここは突破しないといけないとこ。
アタシは覚悟を決め、助走を付ける。


トントン、タッタタタ。
ヒュンっ・・・

いつもより身体が軽い。
軽々140センチのバーを越えた。
その瞬間、意識が飛ぶ。



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