ディア フレンド
それから3日後。
アタシは無事に退院した。
体調は万全。遅れた分、部活頑張らないと。

退院直後に練習に行く。
流石にみんなと一緒はダメ、と
岡野先生に言われ、アップは軽め。
リレーの練習もアタシ以外のとこを
やっていた。
紗羅曰く、補欠は入れなかったそうだ。

少し嬉しい。でも申し訳気持ちで一杯になる。
恭也くんもかなり心配しててくれた。

なんか後輩たちはいつもと同じで
ちょっとびっくりしたけど・・

早速高跳びの練習に入る。
久しぶりだから身体を慣らしてからにしよう。
みんなに迷惑は掛けられない。


「杏南、無理すんなよ。
病み上がりなんだからよ。」


「うん。だから130センチくらいで。」


「おい・・まぁ、頑張れ。」


アタシは助走をつけ、一気にジャンプする。
ヒュンっ。

病室でもあまり食べていないせいか、
身体が軽い。思ったより身体が弾む。

ボスッ。
勢いよくマットに落ちる。
軽々跳べた。でも腰打ったかも・・
少し痛いな・・・無理はダメだね。
アタシは腰を抑えながら立ち上がる。


「杏南、また無理して倒れたら
マジで海に投げ飛ばすからね・・」

「怖っ・・・き、気をつけます・・」


海來の背中から殺気が感じられる。
海來を本気で怒らせたら生きてはいないかも・・


「とかいって、本気で心配してたじゃん?」


紗羅が海來の肩をポンっ、と叩きながら言う。
口角をくいっと上げて悪戯っぽい笑み。
海來が顔を真っ赤にして否定する。


「んなんじゃない/// あたしが
心配する訳ないでしょ!?」


やっぱり病室よりこっちの方が断然いい。
2人の会話を聞きながらもう一度
跳ぶ準備をする。
次は145センチ。ここからは未知の領域。

下手をすれば怪我をするかもしれない。
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