ディア フレンド
少し嬉しい。
皆にこんなこと言ってるのだろう。
でも、素直に言われれば嬉しい。

アタシはすぐに返信をする。
皆に返信するのより少し早い気がする。

『分かった。
待ってるね。勝手にグラウンド
使って良いよね!?』


送信完了。
返信は待たなくていいか。
アタシは静かにエナメルと鞄を
肩に背負う。
有李栖は今日は確か、
遅刻するって言ってたっけ・・

渉はまぁ普通どおりに来るかな・・
玄関の鍵は一応掛けておこう。

用心に越したことはない。
いつもより早いせいか日がまだ
アタシの横にある。
今、思ったが中総体は明後日だ。


アタシにとっては別に大した事では
ないと思っていたが今年は違う。
今年は陸上部として大会に臨むのだ。

初の大会で散るなんてイヤ。
絶対、県には行きたい!


剣道の大会だって近畿大会までは
行った。
無意識にアタシは手を握り緊めていた。
そうアタシはお兄ちゃんと同じで
自分に負けるのが1番嫌いなんだ。


自然と坂を上る歩幅が大きくなる。
車がアタシの横を通り過ぎる。
対抗意識かアタシは走り出していた。


「はぁはぁ・・・着いた。」

結構な距離を走った。
この学校の坂は結構長い。
500メートルはないけど
それ近くはある。


プーっ。
車のクラクションが鳴る。
誰だろう。アタシは振り向く。
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